2022年も早くも半分を過ぎようとしていますが

皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。

愛知県　東浦町にあります　医療法人　慈朋会

あしま歯科クリニックの歯科衛生士の杉浦です。

平素は、当院を【かかりつけ歯科医院】としてくださり

誠にありがとうございます。

昼休み副院長より

『歯科衛生士さんたちがやっているSPTの内容って

30分じゃ出来ないですよね、僕出来なかったです。』

という言葉をいただきました。【そうなんです！】

実際に、相手の立場になってお仕事をしないと

分からない景色ってあると思います。

私たち、歯科衛生士の気持ちに寄り添ってもらえる

ドクターの言葉は非常にありがたいなと思います。

さて、今月は【歯の神経の除去《根管治療》は難易度が高いんです】

ということをドクター代わりに、ほんの少しですが

歯科衛生士の私が代弁しようかなと思います。

『今度、歯の神経とるんだよね』

『歯の神経の治療中なんだけど、時間かかるのはなぜ？』

と聞かれることが多々あります。

一般的によく『歯の神経をとる』と言いますが

これは実際のところ『神経』だけをとっているわけではないのを

ご存知ですか？

実は歯の神経というのは歯の中心部分に存在する

【歯髄腔(しずいくう)】と呼ばれる空洞の中に

血管やその他の組織と一緒に入っています。

これら全てをひっくるめて【歯髄】と呼んでおり

実際、歯科医院で歯科医師が『神経ととりますね』という場合には

歯髄を全て取り除くことを意味しています。

ですが、通常は一般の人にもわかりやすくするためにも

あえて『歯の神経をとる』という表現を使っています。

したがって、神経をとる場合は血管などの組織も取り除かれるため

歯に栄養が全くいかなかったり

様々な防御機構が働かなくなります。

そのため、神経がない歯のことを【失活歯(生活力が失われた歯)】

と呼んでいます。

神経をとる処置は歯科治療の中でも難易度が高いとされています。

なぜなら、神経の入っている根管内を

歯科医師が直接見て治療できないこと

根管というものは単なる管ではなく

複雑に木の枝のように枝わかれしていたり

網目状になっていることもい多いことなどあげられます。

しかし、現在行われている治療はほとんどの場合

この見えない部分の治療をレントゲンに写った歯根の形をみながら

頭の中でイメージをし

手の感覚でもって行うというものです。

その為、神経の治療を含む根管治療では

歯科医師の経験や、手先の器用さ、センスによって

治療の良し悪しが決まってくる部分が多いと言えます。

【上の写真】のように

細い針のような器具を使い

曲がりくねった根管内を

歯科医師は、丁寧にきれいにして消毒を繰り返します。

ただ、経験があるからと言って　技術がいいというわけではないですし

センスがいいかどうかも患者さまにはわからないでしょう。

これは、なかなか難しい問題だったりします。

私たち歯科衛生士も歯周初期治療の際

親指と人差し指のに伝わる指の感覚で

歯茎の中の歯の根についた歯石を除去するので、

奥歯の難易度が高いのは

ものすごく共感できます。

根っこの先までキチンと消毒し、お薬をうめても

日本の根管治療成功率のデータによると

30％～５０％と言われています。

引用元　【わが国における歯内療法の現状と課題】　須田　秀明教授

ですので、患者さまには歯の神経の治療の際

痛みがなくなったからや、

通院回数が何回もかかるという理由で

治療を中断せず、根気よく通院していただけるよう

お願いしております。

また昼休み、貴重な休み時間を抜去歯牙に使い

丁寧に抜髄について、歯科衛生士に

説明していただいた代診の先生には、このブログにて

感謝を申し上げます。

今月は、歯の神経の治療について、部分的になりますが

お話をさせて頂きました。

長文となりましたが、今月も当院ブログにお付き合い感謝いたします。

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