【2025年12月公式ブログ 歯科医院での血管迷走神経反射の患者様への対処】
2025.11.28
皆さんこんにちは。
愛知県 知多郡 東浦町 あしま歯科クリニック 歯科衛生士の横井です。
平素より当院をかかりつけ歯科医院としてくださりありがとうございます。
秋は一瞬で終わり、随分冷えてまいりました。
今月は勉強会で学んだ事を報告しようと思います。
歯科診療時、血管迷走反射を起こす患者様を目の前にした事は比較的多いのではないでしょうか?私は歯科衛生士になり16年くらいになりますが親知らずの抜歯時のアシスト時等に血管迷走神経反射の現場に遭遇したことはあります。
では、実際に目の前の患者様に徴候が起きた場合どのような対処をしていますか?
血管迷走神経反射(Vasovagal reflex)は、強い緊張や痛み、不安などのストレスにより副交感神経が過剰に活性化され、心拍数や血圧が急激に低下する生理的反応です。
歯科治療中ではめまいや冷や汗、悪心、場合によっては一時的な失神が起こることがあります。ここでは、歯科治療における対処法と予防策をまとめます。
1. 発症状況・誘因
- ●麻酔注射や抜歯など侵襲的処置時。
- ●歯周ポケット清掃など見えない処置。
- ●治療に対する強い不安や過去のトラウマ。
- ●長時間の仰臥位や空腹状態。
- ●血液を見た時の反応など心理的要因。
2. 歯科医院での迅速な対応
- 治療中断と体位変更
- ●患者を水平に寝かせ、下肢を約30cm程度挙上。

- ●足から心臓・脳への血流を改善し意識回復を促す。
2.バイタルサインの確認
- ●血圧、脈拍、酸素飽和度をモニター。
- ●多くの場合、数分以内に自然回復。

3.意識消失時の医療的対応
- ●酸素投与(マスクまたは鼻カニューレ)。


- ●持続する場合は医療機関へ迅速に連携。
4.応急補足
- ●輸液療法、エフェドリン投与は医療資格・準備状況に応じて適切に。
3. 患者自身ができる予防策
- ●水分補給:治療前にコップ1杯の水を摂取。
- ●軽い食事:低血糖を避けるため、空腹状態は避ける。
- ●リラックス:深呼吸や軽いストレッチで不安を軽減。
- ●不安・過去の反応の伝達:治療前に歯科スタッフに共有。
- ●治療後の適切な休息:急に立ち上がらず、落ち着くまで待つ。
4. 鑑別の重要性
- アナフィラキシーショックとの鑑別:
- ●血管迷走神経反射:体位変換、経過観察で自然回復。
- ●アナフィラキシー:発疹、呼吸障害を伴い、アドレナリン投与が必要。
- まとめ
血管迷走神経反射は命に関わることは少なく、適切な体位変更やモニタリングで安全に対処可能です。
患者が事前準備と情報伝達を行い、歯科医師・スタッフが適切にサポートすることでリスクを最小限にできます。
参考:日本歯科麻酔学会「歯科治療中の血管迷走神経反射に対する処置ガイドライン」(2018年)
以上をもちまして、あしま歯科クリニックの、血管迷走神経反射時の患者様への対処報告とさせていただきます。
勉強会を機に院長およびスタッフと話しあい、窒息時、アナフィラキシーショック時、血管迷走神経反射時での対処やマニュアルが出来上がっていきました。
酸素やAEDの機器に劣化はないか点検を行う機会もできました。
下肢を30㎝挙上させる箱は、私たちが日々使うグローブ10ケースが入った段ボールを合成革シートで覆い作製してみました、身近にあるもので制作できるので歯科関係の衛生士の方もご参考にしてみてください。
