【2022年9月 ラボサイドでのプロビジョナルレストレーションの製作工程】
2022.08.20
こんにちは。知多郡東浦町にある、医療法人 慈朋会 あしま歯科クリニックの
歯科技工士の中川です。
平素より当院を【かかりつけ歯科医院】として下さり
誠にありがとうございます。
公式ブログ8月で【テンポラリークラウンとプロビジョナルレストレーション】について
学術的に詳しく触れていきました。
なので9月は先月8月のブログで、紹介しきれなかったラボ(技工室)サイドでの
プロビジョナルレストレーション(以下、PVR)の
製作ステップを写真を交えて紹介していきます。
まず始めに、どのような場合だとラボサイドでPVRを作ることになるかというと
Ⅰ.治療する部位の被せ物や天然歯を削ったり外したりして
次回から歯の治療を開始する場合。
Ⅱ.現状と同じ噛み合わせを仮歯でも再現したい場合。
Ⅲ.最終的な被せ物がセットされる前に、
形態・噛み合わせ・歯の大きさのバランス・口腔内での
調和などPVRで確認したい場合。
Ⅰ~Ⅲ のどれかに当てはまるとラボサイドでPVRを製作します。
口腔内で行う直接法ではやれることに限界があるので
当院ではラボサイドで製作する間接法がかなりの割合を占めています。
ここからPVRの制作ステップを説明していきます。
① 咬合器装着
石膏模型の気泡を取り除き、
咬合器に装着します。(写真1.2)
② 支台歯形成
次回治療を開始する部位をバーで削ります。
削る量は最小限にします。(写真3~6)
③ ブロックアウト
隣在歯のアンダーカットになっている箇所を
パラフィンワックスを使って埋めます。(写真7)
④ ワセリン塗布
支台歯、隣在歯にワセリンを塗ります。
厚くならなよう注意します。(写真8)
⑤ 筆盛り
常温重合レジンで支台歯の上に筆を使って歯の形を作っていきます。
筆盛りしたレジンの量が少ないほど
形態修正の作業がスムーズになります。(写真9~11)
⑥ 重合
熱湯に入れることにより、
重合が促進されます。(写真12)
⑦ マージン調整
模型からレジンを外して、マージン付近の余分なレジンを削っていきます。
マージンを全周、鉛筆でマーキングしておくと
削り過ぎる心配がなくなります。(写真13~16)
⑧ 形態修正
対合歯と噛み合わせて、早期接触する箇所を削ります。
次に側方運動時に干渉してくる箇所も削ります。
最後に歯の形態になるように削ります。(写真17~23)
⑨ 研摩
表面が滑沢になるように磨きます。(写真24.25)
⑩ 完成
マージンの欠けや研摩できていない箇所がないかを
確認して大丈夫なら完成です。(写真26~29)
PVRの製作ステップを説明していきましたが、いかがでしたか?
仮歯でもこんなにステップが多いのかと思われた方もいると思います。
治療が終わり最終的に被せ物をセットするまでは
PVRで普段の生活を送ってもらうので
なるべく違和感なく、そして割れないように作る必要があると
常に思いながらPVRを製作しています。
白く美しい歯は相手に好印象を与えます。
歯の形や色などコンプレックスを抱えているかたは多くいらっしゃいます。
気軽に院内技工士 中川まで詳しくお話を聞かせてください。
また、最終的な被せ物が入ったら終わりではなく
永くつかっていただくには、
定期的な歯のクリーニングも必要不可欠になります。
長文となりましたが、今月も当院のブログに
お付き合いいただきありがとうございます。