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【10月のブログ マウスピース型矯正装置は従来の装置と同じように治るのか?】

2021.10.02

空は深く澄み渡り、秋の深まりを感じる季節となりましたが、

いかがおすごしでしょうか?

皆さんこんにちは。 知多郡 東浦町 石浜 医療法人 慈朋会

あしま歯科クリニックの歯科衛生士 杉浦です。

平素より当院に、ご来院いただき誠にありがとうございます。

『芸術の秋』 『食欲の秋』 『読書の秋』 『学術の秋』

9、10月といえば、私たち医療従事者にとっては

学会シーズンになります。

現在、新型コロナウイルス感染症の影響により

中止、延期など、リモートによる開催など

学会スケジュールが変化していますが

学術大会の参加や交流は

日々、私たちの知識をアップデートするために

必要不可欠だったりします。

 

ちなみに、あしま歯科クリニック 理事長兼院長の横地 剛

及び副院長、院内歯科技工士は 

公益社団法人 日本口腔インプラント学会に所属しております。

来年度の会場は愛知県のため、

あしま歯科クリニックの歯科衛生士メンバーも

日本口腔インプラント学会 専門歯科衛生士教育講座に参加しようかなと

考えているところのようです。

 

さて、現在あしま歯科クリニックにて

私は主に

矯正専門歯科医師のアシスタント業務及び

日々の矯正患者様の歯のメインテナンス業務、

管理を担当しております。

歯科矯正に関しては

子供さんの患者様の矯正について

お父様、お母様からご質問等多くみられるのですが

成人されたの患者さまから

マウスピース型の矯正装置(アライナー)は従来の装置と

同じように治るのか?

というご質問をいただきます。

 

最近、SNSの広告などにもマウスピース型矯正装置をみることが

増えてきたように思います。

特に最近の宣伝は、歯医者いらずとか

通院不要をうたい

これにより治療費が安くなったということを

アピールしてるものが多いような気がします。

 

矯正装置は装置をつけること、

患者さまにとって時間がかかること

高額なこと

治療開始を悩ませる要件ではないかと思います。

 

日本にも広がりつつあるマウスピース型矯正装置(アライナー)は

このような欠点を全て払拭し

良い事ばかりなのでしょうか?

 

学会などはこのようなマウスピース型矯正装置(アライナー)に関して

どのようなコメントを出してるのでしょうか?

 

以下より、マウスピース型矯正装置のことを

アライナーと呼称させていただきます。

2019年6月 公益社団法人 日本矯正歯科学会

【アライナー型矯正装置による治療に関する見解】

矯正装置における診断は、それほど容易なものではなく

例えば、歯を抜くのかどうか

歯を動かすのか、どこまで動かして良いのかという判断には

レントゲンなどによる資料からの判断と

それに加え矯正医の経験に大きく関わる部分です。

まして歯の精密な移動は従来型の装置に比べると難しいことより

診断が十分でない上でコントロール性に劣る事もある装置を使うというのは

更にリスクが高くなるということも

考えられます。

 

また、矯正専門開業医で組織される 

公益社団法人日本臨床矯正歯科医会も

アライナー型矯正装置について

※効果が装着時間に影響されること

※適応症例が限られること

※歯の根もとの部分について情報が欠けていること

など、欠点をあげ警鐘をならしています。

 

【vol.23アライナーを使った不適切な矯正歯科治療が増えいる】

まずは、専門家の診断が必要ですよ。

適応症例がかぎられてますよ。

というところは、非常に大切なところではないでしょうか。

 

矯正専門医の先生いわく

アライナーを使った治療がよくないというのではなく

大切なのは使い方と強調します。

つまり、歯の移動量が少なく

骨格的なずれや歯根部の問題などがない患者さまに対して

十分な精密検査を行った上で

使用するのは問題ないのです。

ただし、矯正歯科の専門教育を受け、

専門知識と技術をもち

かつ臨床経験を積んだ矯正歯科医は

十分な精査と診断に基づき

最終的な治療のゴールを見据えたうえで

数ある装置のなかから

治療に最適だと考えられるものを選定します。

つまり、

全ての症状に対して単一の装置を用いる事はありません。

アライナーを用いた矯正治療を希望する方が

安心して治療を受けることができるよう

矯正歯科医会でチェックポイントをまとめているようなので

こちらで、ご紹介したいと思います。

 

医療機関の選択のチェックポイント

▢ セファログラム撮影装置(用語解説①)が設置されていますか?

▢ 口腔内診査、顎口腔機能検査、模型分析、

  セファログラムの分析など実施したのちに

  治療を担当する矯正歯科医自身が診断をしていますか?

 

▢ 治療を担当する矯正歯科医が治療計画、治療費用について詳細に

  説明していますか?

▢ 治療を担当する矯正歯科医が、治療を中止したり

  転医したりする場合の治療費の精算などについて

  説明がありますか?

▢ 治療を担当する矯正歯科医が、アライナーが推奨される症例か

  推奨されない症例なのかを鑑別し説明していますか?

▢ 治療を担当する矯正歯科医が、アライナーの治療で

  十分な結果が得られなかった場合、代替え治療について

  説明していますか?

 

患者様自身のチェックポイント

▢ アライナーは国内外で製作されたものを問わず

  日本の薬機法上の医療機器には該当しないことを知っていますか?

▢ 歯科医師がアライナーを用いて治療する場合には

  診断、治療計画、アライナーの設計等について

  矯正歯科学的な専門的知識が必要であることを知っていますか?

▢ アライナーの適用には推奨される症例と

  推奨されない症例があることを知っていますか?

▢ アライナーによる治療の結果は、アライナーの装着時間

  【推奨される装着時間は1日20時間以上】に

  左右されることを理解していますか?

▢ 治療を担当する歯科医師は、

  アライナーの治療で十分な結果が得られなかった場合

  治療目標を達成するためにマルチブラケット法による追加の治療が

  必要となることを理解していますか?

 

用語解説①セファログラム撮影装置とは?

頭部エックス線規格写真のことで、矯正歯科治療の精密検査では必須のもの。

この画像から、上下のあごの大きさや形

ずれ、前歯の傾き、顔のバランスなどが分かります。

セファログラムを分析して

歯並びや、噛み合わせが悪い原因をつきとめ

そのうえで使用装置の種類や抜歯の有無など

一人ひとりの患者さまにあった治療計画を立てていきます。

理事長兼院長の横地も

矯正を希望される患者様にたいして検査を行い

分析したのち、患者さまとしっかり話し合った上

治療計画を提案しています。

精密検査項目として

※口腔内写真

※顔貌写真

※パノラマオルソ写真

※歯周基本検査

※スタディーモデル

※セファログラム(頭部X線写真)

セファログラム分析資料の一部になります。

診断や分析ってとても大切なんです。

いかがでしたか?

時間と費用と手間をかけてうける矯正歯科治療。

より良い結果につなげるためにも

単に装置が目立ちにくいから、外したい時に外せるからといった

理由だけでなく、自分の口腔内の状態にふさわしい治療法を

歯科医と相談しながら決めたいものですね。

 

このブログがアライナーの治療を全て否定するわけではありません。

アライナーでの歯科矯正治療をお考えの患者様の

お役に立てれば幸いです。

歯並びの相談など、お困りの際は

もちろん定期検診時や、

クリーニングの際

担当歯科医師及び、担当歯科衛生士スタッフに

お尋ね下さいませ。

 

長文となりましたが、お付き合い感謝いたします。

 

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